活動内容

主に、ICT (Information & Communication Technology:情報通信技術) を活用した難病患者や重度障害者のコミュニケ―ション支援を行っています。

難病コミュニケーション支援講座

目的

進行性疾患の場合、患者や家族は、疾患を受け入れることや日常的な介助で手一杯となり、コミュニケーションが取りづらくなっても相談することができません。

講習会の様子

患者のもとには、意思伝達装置「伝の心」や「レッツチャット」などのIT支援機器がそろっていることが多いのですが、患者自身も家族もヘルパーも使い方を理解していないために、活用できていない現状があります。初歩的な透明文字盤でさえ利用されておらず、患者とのコミュニケーションが図れていません。

一方、装置を使いこなして、自らインターネットで情報収集したり、発信をしたり、社会と積極的に関わっている患者もいます。この場合は、身近にIT技術や知識をもった支援者の存在があります。患者の周りにこのような支援者が増えれば、コミュニケーションが格段に向上するため、各種専門職やヘルパー、ボランティアの人を対象とした講座を開催しています。

カリキュラム

機器の種類と特徴を知り操作すること、またスイッチを実際に作成することなど、実践型のプログラムを実施しています。
講習会での透明文字盤の練習風景

操作体験

  • 透明文字盤
  • 携帯型会話補助装置「ぺちゃら」「レッツチャット」「トーキングエイドfor iPad」
  • 意思伝達装置「伝の心」、「オペレートナビ」、「HeartyLadder」

講習会での自作スイッチの作成風景

工作実習

  • オリジナルの入力スイッチ作成
  • スイッチインターフェイス作成

難病コミュニケーション支援講座の具体的な活動内容は講習会情報ページをご覧ください。

コミュニケーション支援講座開催実績

30都道府県で開催

  • 2010年度 11ヶ所 295名
  • 2011年度 15ヶ所 495名
  • 2012年度 15ヶ所 434名
  • 2013年度 23ヶ所

日本ALS協会各支部、難病相談・支援センター、難病医療連絡協議会、訪問看護センター、保健所、中央障害者相談センター、難病看護学会、作業療法士会、NPO法人、病院、大学

ITパラリンピック

難病患者や重度障害者へのITを利用したコミュニケーションを、広く一般の方に知ってもらうために、年に1回、ITパラリンピックを開催しています。

障害があるために一般のマウスやキーボードを使えない人たちは、様々な独自の工夫によってパソコンやIT機器を使いこなしています。このイベントでは、その技を教え合い、知識や技術を共有しています。

患者自身によるデモンストレーションや、最先端の機器の展示、体験コーナーなどを設けています。関西との中継やUstreamによる配信など、コミュニケーションの様々な可能性を提示しています。

開催実績

  • 2009年3月 東京総合保健福祉センター「江古田の森」
  • 2010年3月 首都大学東京 秋葉原キャンパス
  • 2012年3月 秋葉原ダイビル(来場者数:240名 USTREAM視聴者数:539名)
  • 2013年3月 一橋大学 一橋講堂(来場者数:250名 USTREAM配信)

その他の活動

戸別訪問を行い、意思伝達装置の利用方法を伝える訪問サポートや、装置の貸し出しを行っています。

訪問サポート実績

  • 2010年度 延べ80名
  • 2011年度 延べ70名
  • 2012年度 延べ70名

講師協力の実績

  • 首都大学東京 健康福祉学部 看護学科
  • NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会主催「進化する介護」

その他の実績

  • 2012年9月 福祉情報工学研究会 在宅重度障害者用意思伝達装置の利用環境改善についての調査と提案
  • 町田花の家心身障害児・者パソコン教室
  • 希少性難治性疾患-神経・筋難病疾患の進行抑制治療効果を得るための新たな医療機器、生体電位等で随意コントロールされた下肢装着型補助ロボット(HAL-HN01)に関する医師主導治験の実施研究班
  • 患者および患者支援団体等による研究支援体制の構築に関わる研究班