2013.03.31

ITパラリンピック2013の実施報告

2013年3月24日(日)、東京千代田区の一橋講堂にて、ITパラリンピック2013が開催されました。当日は雨天が懸念されながらも参加者は250人を越え、大盛況のうちに閉幕となりました。今回は臨時増刊として、イベントの様子をご報告しつつ、ご協力いただいた皆様に御礼をお伝えする次第です。

ITパラリンピックとは?
ICT救助隊が年に一度開いているイベントで、今回で4回目の開催となりました。障害があっても様々な工夫をしてパソコンやIT機器を使いこなしている人たちが登場し、その秘訣を披露します。また、各メーカーが一同に介しての意志伝達装置の展示や、IT機器と並んで重要な透明文字盤・スイッチの相談会なども開かれます。

当日の模様は Ustream にて録画配信しております。


Live stream by Ustream

HALのデモンストレーションに注目集まる

今年の目玉企画は、なんといっても生体電位を利用した期待の新スイッチ・HALのデモンストレーションでした。まずは新潟病院の中島先生が、HALの意義や開発・治験の進捗を講演してくださいました。

次に、先日の研究報告会でもHALによる入力を実演したALS患者の岡部宏生さんが登場しました。会場は緊張に包まれましたが、岡部さんが動かない右腕でパソコンを操り、メッセージ「私たちは夢の架け橋を渡り始めました。動かない右腕で操作しています。みなさん一緒に頑張りましょう!」が読み上げられると、会場は盛大な拍手に包まれました。その後はCYBERDYNE株式会社の新宮研究員も加えて、HALについての活発な質疑応答がおこなわれました。迅速で確実な商品化と普及が期待されています。新宮研究員からは「2014年3月までには商品化したい。」という力強い発言もありました。

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太鼓の達人大会も盛況

午後からは、ワンボタンで遊ぶiPad「太鼓の達人」大会が催されました。ビデオで参加や当日の飛び入りも含めて、計9人の参加者がそれぞれのスイッチを駆使して競い合いました。曲が終わったあとにスコアが表示されたり、順位が変動したりするたびごとに、会場は沸き、笑いが起きました。

IT技術は日頃のコミュニケーションにとっても重要ですが、このような楽しみにも関わっています。

なお、全員に参加賞、得点上位3人には景品と賞状が贈られました。

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メディアも多数取材

当日は、NHKネット報道部・生活情報部のほか、テレビ朝日CS「ニュースの深層」、共同通信など、多数の報道関係者が訪れました。

3月28日にはNHK WEBで記事が公開されました。

株式会社シノドスの荻上チキさんによる取材の様子は、
こちらにまとめられています。

荻上さんは、4月6日の毎日新聞でも、ITパラリンピックを取り上げてくださいました。

機器展示も例年通り

会場後方ではイベントを通じて機器展示がおこなわれ、伝の心やHeartyLadderといった定番から、SPRING絆、意思伝達装置「話想」といった新鋭も登場しました。参加者が機器についての情報を得つつ、開発者に要望を届けることのできる貴重な機会です。

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〔皆様のご支援に感謝いたします〕

皆様のご支援をいただきながら、なんとか今年も無事ITパラリンピックを開催することができました。今後も皆様のご支援のもと、難病患者・障害者の生活を広く発信し、交流の場としても貴重なこうしたイベントを、 私たちの活動のひとつとして続けていきたいと思っております。

ご協力いただきました皆さま(順不同)

太鼓の達人参加者
市川脩(東京)、大神和子(下関)、中堀陽菜(鹿児島) 、番田雄太(盛岡)、久住順司(大阪)、百瀬進也(東京)

展示
アイ・エム・アイ株式会社、 株式会社クレアクト、 ダブル技研株式会社、 企業組合S.R.D

一橋大学、  NEC CSR推進本部社会貢献室
平成24年度厚生労働科学研究費補助金(難治疾患等克服事業)中島班、橋本班
帝京平成大学薬学部、共立女子短期大学看護学科
各地より駆けつけてくださったICT救助隊をサポートしてくださる皆さま

心より感謝申しあげます。

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